チンギスハンのブログ。米国株、永久投資。

米国株高配当安定株に永久投資します。地方在住60代で今年3月リタイヤします。年金が少ないので米国株投資で月10万円の配当を目指します。以前の投資で増やした資金で少しずつ買っていきます。一緒に意見を交換できたらうれしいです。

利上げでダブルパンチの公益株の買いはアリか?

 米国株投資家のみなさんこんにちは。米国株永久保有を目指すチンギスハンです。
 さて、FRBの利上げと来年以降の利上げ見通しの変更を受けて、利上げでデメリットを受ける高配当株について買い時を昨日検証しました。まだの方はどうぞご覧ください。
 日用品などの高配当株は、好景気によってメリットは受けるものの、高配当という「ウリ」の部分が米国債の高金利と競合してメリットが色あせ株価の上昇が限られる、あるいは低迷する可能性について述べました。
 今日はさらに踏み込んで、金利上昇によって、借入金の利払いが増えて収益を圧迫する可能性がある、通信や電力などの公益株について検証したいと思います。(VZなどの通信株は公益株ではないですが、同じ要素もあるし比較のために入れました)。また、これらの銘柄は、高配当のものが多く、米国債との競合でその魅力が薄れるといったデメリットもあります。つまり、利上げによってダブルパンチを受けます。
 通信はともかく、電力などは地味すぎて興味がない方もいらっしゃるかもしれません。しかし、私は一定割合(25%くらい)の公益株を保有をしたいと思っています。理由は、景気変動に強く、何といっても社会にどうしても必要な企業だからです。しかも高配当を継続しています。株価も長期では上昇しています。永久保有にぴったりの業種だと思っています。
 しかし、調べていくと、米国の電力企業は日本とは全く違います。地域独占ではないですし、戸惑うことが多いです。日米を比較するのはとても興味深いですがそれはまたの機会にします。また、どの銘柄が有利かの検証もまたの機会にしたいと思います。
 公益のジャンルにあまり興味を持ってこなかった方も、参考にしていただければ幸いです。


まずは株価から
通信企業でダウ銘柄で高配当株で、ダウの犬で、みなさんお持ちの方も多いVZ
(べライズン)です。10年と2年です。by yahooです。

直近高値から20%ほど下落していましたが、最近また上昇してきています。現在のPERは13.3で配当は4.5%です。


次に、電力の中から自分の保有株で買い候補のD(ドミニオンリソーシーズ)
の10年と2年

10年ではまあ順調でしょうか。ここ2年は横ばいです。現在のPERは21.8で配当は3.7%です。


 次に細かいデータをエクセルで表にしたのですがうまくのせられないので、四季報等を見ていただくとして、利上げの悪影響がどれだけのものかだけを載せました。ただし、もとにした有利子負債は2015年12月のものでそれ以降の負債の変動はわかりませんでした。まずはおおまかにどんなものかという程度でご覧くださればと思います。
 来年1年で3回の利上げが行われた場合0.75%の負担増となります。それが税引き前利益の何%になるかを調べました。2016年12月予想です。四季報or yahooから


 銘柄名 売上高 税前利益 負債 負担増 割合 EPS   1株配当 配当性向 配当 
     億ドル 億ドル  億ドル 億ドル %  ドル  ドル  %  %
 VZ       1266.2    224.8        1102       8.3         3.7%   3.9       2.28        58%     4.5%
    T            1645.9 251.5        1296      9.7         3.9%    2.86    1.92         67%    4.7%
    D              101.4     23.9          254       1.9         7.9%   3.78    2.79         74%    3.7%
    SO           189.4     41.6          272       2.0         4.8% 2.86    2.22         78%    4.6%   
    DUK         242.7    46.1          432.6     3.2        6.9%   4.62     3.39         73%    4.5%
(注)SOサザン DUK デユーク。電力の時価総額トップはNEE(ネクストラエナジー)ですが、原発運営もしているので、事故の懸念を考えると永久保有には向かないと判断して対象から外しました。


 検証 対利益でみての負担増がやはり電力では5~8%くらいあります。これをどう見るかは判断が分かれると思います。一年でこれだけですが、再来年以降も続くとなると結構な負担かもしれません。その分電力料金も上げられるのでしょうが、その辺はまだよくわかりません。
 利上げでもっともマイナスの影響を受ける業界ですから、ここ数年は逆風です。しかし、それは私たち長期投資家には仕入れのチャンスでもあります。マイナスの材料が出たら(利上げが加速するといった)、安くなる公算が大きいです。その時のドル円にもよりますが、そのような押し目をていねいに少しずつ拾っていけば、地味だけど収益源のベースの部分になると期待しています。
 少しずつ買うのは、景気や金利についての見通しは大きく動く可能性が高いからです。逆風の業界ですし、買い時がはっきりわからない可能性が高いです。また、ドル円の影響も大きいです。理論的にはドル安時には公益株は高いことになりますが、必ずしもそう動くとは限りません。そのようなリスクを下げるためには、安いあるいは高くないと思える時や悪い材料がでるたびに少しずつ買って、時間軸でリスクを分散するしか方法がありません。また、いわゆる今回の相場では「裏道の株」ですし「季節外れ」ですから急に上がって買えなくなるおそれは低いと思います。


 今回はとりあえず、利上げで一番逆風を受ける業界を大まかに検証しました。銘柄ごとの優劣や、政権が発足してからの実際の影響など、今後も長い目で研究を続けたいと思います。鉄道株などもありますし。
 地味な内容を、辛抱強く読んでくださってありがとうございました。
 今後も一緒に勉強を続けましょう。


以上チンギスハンでした。
みなさまのよい投資を!


(補足)債権との比較について
 個人投資家にとって債権は機関投資家と競合して不利だ。
 FP(ファイナンシャルプランナー)の方がつくった個人向けのポートフォリオをみると、半分以上は内外はともかく債券での運用となっています。たぶん大きく変動させたくないということなのでしょうが、私はこれには大いに疑問を持っています。
 その理由は、個人は債権を持つ必然性が全くないからです。変動がいやなら現金(カレンシー)で持てばいいだけの話です。機関投資家(金融機関)の場合は、人の金を預かっているので、現金で置いておくのは「仕事をしていないようでみっともない」です。規約もあるでしょう。ですからいくら、大した運用益にならなくても債権で運用します。そして債権での運用割合は株式よりもずっと大きいです。機関投資家の場合ははっきりと必然性があります。個人で債権を持つことはそのような、仕方なく債権を持たざるを得ない機関投資家との競合になります。(その機関投資家でさえも嫌気がさして、三菱は今年優先特権を財務省に突き返しました。勇ましいです。さすが三菱。)
 世界各国の金融緩和(お札バラマキ)によって債権バブルが発生しました。それが今回アメリカでは債権が大幅下落してバブルが壊れつつあります。
 債権は今歴史的に記録的な高値圏にあります。逆に得られるリターンは機関投資家も逃げ出すくらい低いです。ということはリスクはとてつもなく大きいです。株と違って半値になったりしないから目立たないだけです。
 高配当株と米国債との競合は
 そのような理由で機関投資家(金融機関+ヘッジファンド)にとっては米国債の金利上昇は歓迎でしょう。(だから金融株が上昇している)彼らにとっては、4%の債権があれば、5%配当の株式よりはるかに魅力的でしょう。個人と違ってレバレッジも効かせられますし。
 一方私たち個人投資家にとってはどうでしょう?私は迷わず株式を選びます。なぜなら、10年たって債権の元本が値上がりすることはないからです。(価格の変動はあるが)ですから、4%というのはいつまでたっても額面1万ドルに対してのものです。一方、高配当株の場合は10年たって株価が1.5倍になれば、買った時点からすると7.5%の配当になるからです。だから、債権はかろうじてインフレを相殺するくらいが関の山だと思います。何十億、何百億とあって「一部を債権で」という以外に個人投資家には無縁のものと考えます。


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